レッスンには大きく分けて、団体レッスン、個人レッスン、ペアレッスンがあります。それぞれの特徴と心構えをお伝えしたいと思います。
団体レッスン
講師が1人ないし2人ぐらいに対し生徒多数のレッスンです。費用は個人レッスンと比べたらだいぶ安くなっています。費用のことを考えると初心者でフィガーを覚えるのには団体レッスンの方がいいでしょう。地域や教室によってことなりますが、月4回で7000円から10000円ぐらいの費用となります。
フィガー 複数以上のステップを組み合わせたもの。ナチュラルターンとかリバースターン等、技の名前と思ってもらって構いません。
生徒の数が多ければ多いほど踊る時間が少なくなってしまいます。生徒が少なければ先生が組んで踊ってくれる機会も増えるので、少人数の方が上達には有利と言えます。
団体レッスンの流れ
一般的な団体レッスンでは、講師がレッスン用にあらかじめ1曲踊れるぐらいのルーティンを組んでくれています。そのルーティンを踊れるように授業を進めていきます。
ルーティン フィガーの組み合わせの順番を決めたもの。アマルガメーションも同じ意味
通常は踊る相手を固定しないで順番に踊るのですが、ペアで参加して自分の相手以外とは踊らないという上級者向けの団体レッスンもあります。
まず、講師が男性側と女性側のお手本をそれぞれ見せます。それにならい男女は組まずに一人で踊ります。覚えたら次に男女が組んで踊ります。
団体レッスンを受けるときの心構え
フィガーの名前は覚える
フィガーの順番、カウントが書かれたルーティン表を渡されると思いますので、フィガーの名前を覚えるようにしましょう。フィガー名を覚えてないと色々不具合が起こります。講師から「では、先ほどのナチュラルターンから始めましょう」と言われたとき準備が遅れたり、「リバースターンで重要なのは・・・・」と言われたとき、理解に時間がかかります。また、講師に質問したいときに、「さっきの部屋のあそこ踊ったステップですが・・・」と言われても、講師もいったいどのフィガーのことを言ってるのかわかるまで時間がかかります。レッスンの効率が著しく悪くなってしまいます。
※教室によっては、講師が踊っているのを見せるだけでルーティン表を用意してない場合もあるかもしれません。そういうときは、レッスン後にメモを取るなどして自分でルーティン表を作ることをお勧めします。
積極的に踊りに参加する。できないから、見てるだけでは覚えられない
自分ができないと組んで踊る相手に迷惑がかかるからと遠慮してしまい、人が踊るのを見るだけで覚えようとする人がいます。こういう人はなかなか踊りに参加しようとしません。
気持ちはわかります。ただ、踊りだけでなく、他の運動でも普通の生活でもすべて頭で考えて意識的に動いているわけではありません。普通に歩くことだって1歩1歩次は右足、次は左足って考えてるわけではありません。熱いものに触ったとき反射的に手を放す。これも考えてません。ダンスも同じです、踊って無意識でできるまで覚えるしかないのです。積極的に参加しましょう。
初心者にはやさしくしましょう
誰もが通る道です。ほんの数回レッスンに数回参加しただけで人が踊れるわけはありません。初心者で参加している人にはやさしく接しましょう。全く踊れない人と組んだら自分の練習にはならないからといって、イライラしたり叱責するのはやめましょう。また必要以上に教えるのも感心しません。間違ったことを教える可能性もあるからです。教えるのは講師にまかせましょう。
団体レッスンとなると生徒にレベル差が出てくるのは当然です。もし自分のレベルがあがってしまい、レッスンのレベルが低いと感じるようでしたら上級レベルの団体レッスンに参加するか、個人レッスンに切り替えることを検討しましょう。
質問は、積極的にする
レッスン中に講師から何か「わからいところは、ないですか?」と質問を受け付ける時間をとってくれます。こういう時は積極的に質問しましょう。レッスン中断は、みんなの迷惑になると考えてはいけません。他の人の質問は自分が見落としている新たな発見にもなりますし、講師としても何を注意すべきかネタを探している側面もあるので質問はむしろありがたいと思っているでしょう。
男性はとにかくフィガーのルーティン(順番)を覚えること
社交ダンスは、男性が始動で女性がそれに合わせて踊ります。男性が踊れなければ女性がどんなに上手でも踊ることはできません。フィガーの順番と踊る方向は男性が決めて女性をリードしなければなりませんので、ルーティンは男性が覚えておくことです。
女性は男性をリードしない
男性が初心者である場合は、慣れるまでは多少女性がリードするといったこともしてもいいですが、基本は女性が男性より先に動いてリードしてはいけません。男性がルーティンをあまり覚えてないからといって女性が先に踊ってしまうと踊りは崩壊します。競技やダンスパーティーでは、男性が止まったら女性も止まり、男性が間違えていつもと違うルーティンだったとしても女性も同じように間違えるのが正しいのです。団体レッスンでは、あくまでも練習なので、決められたフィガーのルーティンで一斉に踊りますが、決められた通りに正しく踊ることにこだわらなくていいです。むしろ順番を忘れたなど突発的なことにすぐに対応できる方がいい練習になります。
音楽に合わせて踊ることに集中すること
初心者の頃はなえがしろにされがちですが、ダンスは音楽に合わせるのが一番大事です。ダンス競技では、音楽のリズムにステップが合ってないと評価対象外にされてしまいます。
個人レッスン
講師1人、生徒1人のマンツーマンレッスンです。個人レッスンを受けなければ、ダンスの上達はほとんど見込めないと思っていいです。
団体レッスンは、普通に1曲踊れるまでの指導が限界です。姿勢、シェイプ(踊る形)等の指導は多少できますが、とても生徒一人一人まで目が行きととどきません。個人レッスンでは、正しい姿勢、立ち方、ホールド、1歩1歩の動き等を細かく指導ができます。またリード&フォローは講師のように正しく踊れる人が相手ではないと指導することができないのです。
ホールド 主として腕と手に関しての男性と女性の組み方
リード&フォロー リードは男性がフィガーの動きを体重の移動やアームの張りや型などで女性に伝えること。フォローはそのリードに従い女性が踊ること
大体1レッスン30分で費用は3000円~6000円ぐらいです。講師レベルに応じて価格は上がります。30分なんて短すぎると感じるかもしれませんが、実際受けてみると充分すぎます。
通常、男性生徒には女性講師、女性生徒には男性講師が教えます。講師がいっしょに踊って教えるための措置です。また講師は男性役でも女性役でも踊ることができるので踊りに対しての指導も問題ありません。
個人レッスンを受けるときの心構え
最初のうちは駄目だしばかりになるけどめげないこと
ダンスは常に姿勢を保っておかなければなりません。1歩動いてちょっと姿勢が崩れただけで、注意され駄目だし。最初のうちは嫌になってしまうかもしれませんが、自然にできるようになるまで頑張りましょう。
講師の言っていることがわからなかったら、わからないと言うこと
時には講師の勢いに押されて、よく理解できてないのにできないところを何度も繰り返しやらされることがあるでしょう。そういう時はレッスンを止めてでも積極的にわからないことを言いましょう。わからないことを何度もやっても時間がかかるだけですし、偶然できたとしてもなぜできたかわからなければ、また間違いをおかします。
自分の考えていることも積極的に主張して、相談しましょう
講師の言ってることがおかしいと感じるときもあると思いますが、大抵はこちらの知識、理解不足です。ですが、自分が思っていることは積極的に講師に話してみることです。そうすると講師はこういうところで誤解しているんだなとわかるので、別のアプローチで説明してくれることもあります。
講師によって違うことを言われても大抵はどの講師も同じことを言っている
複数以上の講師に習っている場合、あの講師はこう言ってたけど、こちらの講師はなんだか逆のことを言っているのではないか?と感じることがあると思います。ただ、自分のダンスの知識が深まってくれば、結局同じことを言い方を変えて教えていたんだな。とわかってきます。また生徒のレベルに応じて教え方が変わってくることもあります。最初はとにかく歩幅は小さくても姿勢だけ崩さずに、音楽は気にするなとか、次はもっと歩幅を大きく、音楽を、感じて。とか段々と要求されることが多くなるからです。そのときは、言われたとおりにやってみることです。何年もやってると色々アドバイス受けたことは、すべてつながっていると感じる時が来ます。
ペアレッスン
講師1人に対して、男女ペア1組のレッスンです。ペアで競技会を目標としているときなどに2人の動きを見てもらうようなとき利用します。
講師は、男性、女性どちらの場合もあります。日によって変えてもいいでしょう。
同じレッスン時間なら、個人レッスンと費用は一緒なので2人で折半できます。
ペアレッスンを受けるときの心構え
あらかじめ見てもらいたいルーティン(競技用、パーティーデモンストレーション用等)は練習して覚えておく
見てもらいたいルーティンはペアレッスンを受ける前には最低でも練習して覚えておきましょう。ペアレッスン中にルーティンを覚える作業していては、非常に時間がもったいないです。ルーティンを覚えた後も基本的には自主練習で発生した問題点をペアレッスンで見てもらうという流れを繰り返した方がいいと思われます。
男女ペアで練習していて意見が合わないときは、ペアレッスンのときに講師の意見を聴く
練習場ではよく喧嘩しているペアを見かけます。お互いに自分の主張が間違ってないと譲らない状況はよくあります。そういうときはペアレッスンで講師に判断を仰ぐことをお勧めします。そこでたまたま自分の主張の方が正しかったとしても常に自分の考えは正しく相手が間違えていると考えるのは奢りです。相手も踊りをよくしようと思っての自分なりの考えを持っていたわけです。相手の意見にも耳を傾けることは大事です。次は自分の方が間違っていることがあるかもしれません。
まとめ
まずは、費用の安い団体レッスンを受けて、どんなに不格好でもよいのでフィガーとルーティンをある程度覚えることをお勧めします。10種目全部とは言いませんが、自分ががやりたい種目はおさえておきましょう。音楽に合わせてある程度踊れるようになったら、姿勢等かっこよく踊るための個人レッスンやパートナーを見つけて競技等に挑戦するためのペアレッスンに移行しましょう。
尚、団体レッスンは定期的にルーティンを変えて新しいフィガーを取り入れてる場合もあります。新たなフィガーを覚えるためにも引きつづき団体レッスンの方も継続しておくのもいいかと思われます。
コメント