社交ダンス ワルツとタンゴの組み方の違い

社交ダンステクニック考察

タンゴの組み方はコンパクト?という言葉からの誤解

ワルツを含むスウィング系ホールドとタンゴ系ホールドの違いを説明するときに、タンゴはスイング系に比べてコンパクトなホールドとよく言われます。

また男性右手のひらはスイング系のときは女性の背骨あたりに指先が届くくらいの位置だが、タンゴの場合は深く組むため女性の背骨を指先が超えたあたりの位置。男性の左手に関しては、スイング系の場合は90度ぐらいの肘の曲がりだが、タンゴの場合は鋭角(90度より小さい角度)になると言われます。

しかし、このコンパクトという表現と深く組むという表現が間違った捉え方をされる危険性があると思いました。図1の状態から女性を男性の左手側に移動させて、図2のような位置関係にして、男女の横幅が狭くなることにより、コンパクトになるという誤解です。

正しいワルツの組み方とタンゴの組み方

しかし、実際はそういうことではなく、そもそも男女はそもそも図1図2のように平行にコンタクトしているわけではありません。図3にワルツの組み方、図4にタンゴの組み方を示します。

図3と図4の女性に対する男性の角度の違いに注目してください。

タンゴの方はワルツと比べて、へそ(ベルトのバックル)が女性側に向いてます。逆に首の方向はワルツは正面に向いているのに対して女性のより左側の方に向いてます。

図5のようにワルツの体勢から腰は女性側に、首、ホールドを男性から見て、左側にねじるようにするとタンゴの体勢にすることができます。このねじれによって、男性の右手先は女性の背中の中心を超えることになり。男性の左手の肘はより鋭角になることになります。結論をいいますと、タンゴはワルツに比べて、女性と男性の距離が近くなるのではなく、組む角度が違うと理解するといいと思います。

タンゴのプロムナードポジション→クローズポジションのポジションチェンジにおける注意点

余談ですが、タンゴを踊る際スタート時は、もちろんタンゴのクローズドポジションの形になっているのですが、踊り進めていく際、プロムナードポジションからクローズドポジションへ変化させるフィガーで、ついワルツのクローズドポジションのようになってしまうことが多いと思われます。(へその向きが女性側に向いていないような状態)首を女性の方に向けたくなってしまうんですよね。

※ポジションチェンジがある主なフィガー 

(クローズドプロムナード、チェイス、プロムナードターン等)

タンゴの場合は、男性のクローズドポジションとプロムナードポジションの首とホールドの向きはほぼ変わらないので、腰の向きだけでポジションチェンジするという意識でいるとミスも防げると思います。

※ワルツの場合はクローズドポジションとプロムナードポジションで首の向きが大きく変わります。

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