社交ダンス漫画 ボールルームへようこそ 8巻 社交ダンサーから見た感想

ボールルームへようこそ  感想

以降ネタバレがあるのでご注意下さい。

あらすじ

Heat33 ブラインド

マリサは、都民大会で富士田組が決勝に残れないようなら清春の来年留学の援助はしないと言い出し、清春に富士田組のサポートを命ずる

早速、清春は部屋に閉じこもってしまった千夏を強引に練習場に連れてくる。清春は、パートナーが目をつぶりリーダーのリードを体全体で感じ取りながら踊るブラインドダンスを多々良と千夏にやらせてみる。

ブラインドダンスの途中で、千夏は突然恐怖を感じ思わず両手を放してしまう。

露天風呂にて清春は、まるで自分を押し通そうとしないダンスをする多々良に対し、千夏が多々良を頼れない一番の理由は多々良の踊りを信じられないからだと指摘する。

一方、千夏はかつて天平杯で真子と多々良が組んで決勝まで残ったことを知りショックを受ける。

多々良とペア練習をしようとはせず、シャドー練習のみに励むのだった。

Heat34 表現者

相変わらずシャドー練習ばかりの多々良と千夏を見かねて、賀寿と雫は気分転換にとショッピングに連れ出す。千夏は多々良が心を開いてくれないと言い、多々良は千夏が信頼してくれないと言い、またしても喧嘩になってしまう。

千夏は、真子に嫉妬しており、慰めようとする真子にもつい強くあたってしまう。いいリーダー(賀寿)と組めて常に安全圏にいる真子には、自分の気持ちは分かるわけないと思っていたからだ。

しかし、かつて兄との実力差ゆえか自信がなく表現者になれなかった自分だが、多々良と組んで色々なものを引き出してもらったと素直な気持ちを真子に吐露されると真子に対する見方がガラッと変わってしまう。

一方、多々良は雫に合宿所で出会った時、涙していた理由を問われる。口では、ダンスのことで悩んでいたからと答えた多々良だったが、心の中では”憧れ(ダンス)に近づけない疎外感を味わったからだと感じていた。雫は、つらそうな表情を見せる多々良に、また戦いたいと言ったことは忘れていいと告げる。その言葉に思わず多々良は、誰かが見てくれなけれは頑張れないと口走ってしまう。清春と雫のことが好きだからどうしても印象に残りたくて・・・・その言葉を聞いた雫は、多々良とのワルツは今でも覚えてる。すっかり私の踊りの一部になっている。「私にとってあなたは謎」雫にとって多々良は見るものの心に何かを刻んでくる表現者だと既に思っているようだ。

この言葉に、奮起した多々良は再度、千夏をカップル練習に誘う。真子の前では言い訳できないと感じた千夏はそれに応じる。そして、優勝できなかったらセパレートしてかまわないと多々良に告げるのであった。この先多々良以上に自分に向き合ってくれる男なんていないと感じている千夏はこれがラストチャンスと自分を追い込むためだ。セパレートしたくない多々良もこの子と優勝しなくては・・・と意気込むのであった。

Heat35 都民大会

多々良と千夏のカップル練習は喧嘩しながらも続いていた。マリサは優勝するのは釘宮組だと思っているが、多々良組も”来る”と期待している。

8月25日東京都民ダンススポーツ大会当日。明の組もエントリーしている。

一次予選ワルツが始まる前、予選全部フルチェックを目標にするという多々良に対し、優勝するなら当然、底辺から1組残らず他の組を捲ると意気込む千夏であった。

Heat36 背番号13

一次予選、ワルツ、タンゴをこなす2人。審査員の目にとまる踊りを見せるが、フロアの外では喧嘩がたえない。観戦に来てた雫、真子、賀寿は心配するが、清春は喧嘩ではなく議論。それはダンスをする上での宿命だと全く心配していない。

一次予選は、フルチェックをもらえる結果だった。からかいに来た明と千夏は相変わらず険悪な雰囲気。そんな中、明、千夏の家族とダンスをやっていることは内緒にしてた明のリーダー峰の家族も応援にかけつけた。

千夏は、まだ家族にダンスをやっていることを話してない多々良に対し、最高にいいやつだけど臆病者。もっと強くて怖いやつが好きと言い放つ。

二次予選タンゴ、予選突破レベルだが一体感が見られない多々良と千夏。清春は、そんな2人に対し予選なので失敗も試行錯誤も今のうちにやって、むしろもっと乱れてもいいとさえ感じている。

「多々良が相手のことがわからないなんてありえない、さっさと緋山に順応しろよ」清春は心の中で思うのであった。

千夏に怒りをぶつけるようなダンスをする多々良。それは嫌気がさしている自分に対しての怒りでもある。そんな中たった2小節だが一瞬の一体感を見せる。

感想

清春のアドバイスは多くを語らないし、意図も語らない。喧嘩については、雫や真子のおかげでなんとか治まったけど、結局都民大会までダンスの調和についての課題は未解決のままにしておく。

こんな人がコーチャーだったとしたら嫌われるだろうなと思いますが、多々良と千夏のポテンシャルというものを誰よりも理解していて、あえて実戦での成長を促した方がいいという思慮深さには驚かされました。

そして、清春の「お前はそうやって歪んで進化してゆくのか」ニヤリとしたときの表情。雫の「あなたは、私にとって謎」という言葉もそうですが、2人とも相当、多々良を買っていますよね。

多々良は、今まで出会ったことのないような”異質な存在”ということだと思うのですが、人はそういうものに心惹かれるのでしょうね。

ただ、誰かに憧れられたいからと行動すると、その時点で誰かの良い点を取り入れようとしてしまうので異質ではなくなってしまう。

あまり先のことを考えず、自分が良いと思ったことをその場その場で、行動に移すことが、その人個人の魅力が出てくるんじゃないかなと思います。多々良も好かれようと思って行動してませんよね。

実際のダンスの魅力に興味がある方はこちらの記事も参考にしてみてください、社交ダンスを始める人が増えればいいなと思っています。↓

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