以降ネタバレがありますのでご注意下さい。
あらすじ
Heat12 赤城賀寿
ワルツをなんとか踊り切った多々良と真子。観客から拍手が起こるが、真子ばかり褒められているものだった。審査員達もパートナーの真子ばかりに目がいってしまうという状況。パートナー本位の多々良の動きは散漫でダンスとしては駄目だが、パートナー勝負においては英断だった。
賀寿・雫組のワルツがスタート。賀寿は真子と組んだときより大きく動けて順調にスタートしたが、真子とダンスを始めた頃からの過去の思いにふけていると調子を崩してしまう。
自分にはついてこれなかった真子だが、多々良と組んで魅せたワルツが素晴らしいものだったからだ。
Heat13 ボルテージ
賀寿はワルツを立て直すことはできなかった。
あらためて気合を入れ直す賀寿、真子と踊るのはこれが最後と意気込む多々良、タンゴは両組とも熱の入ったものであった。
雫は、自分は何をやっているんだと混迷しながらのダンス。そんなダンスを退屈そうな目で見つめる清春を見て発奮する。スローフォックストロットで、巻き返しを図る。
その姿は、多々良の心を一瞬で持っていってしまうほどに・・・・
Heat14 伝播
賀寿・雫組のスローフォックストロットは会場の空気を変える。雫が賀寿のポテンシャルまで引き上げ完全に一人勝ちした形だ。その高揚は多々良に伝播する。清春も珍しく楽しげにソワソワしている。
決勝最終種目クイックステップ。準決勝では、多々良の体力温存のために仙石から止められていたバリエーション(特別振り付け)だったが、ついに仙石から解禁OKの許可が出る。
Heat15 特別振り付け
2か月間練習に取り組んできたクイックステップだが、体力がなくなってきた多々良は、姿勢の維持もできなくなっていく。
実力にそぐわない特別振り付けであったが、仙石はこうなることも当然予想していた。フロアで無視されてたら終わりなので、まずは一瞬でもいいので見てもらうための振り付け。
審査員、観客からも酷評されてくる多々良達の踊りだが、たびたび刹那的な一瞬だけ魅せるアピールで観客、審査員の目をひかせる。
多々良は気持ちだけで踊り続けた。
Heat16 判定
天平杯全種競技が終了した。優勝は賀寿・雫組。全種目1位で圧倒的であった。多々良・真子組は健闘むなしく決勝7組中7位であった。
自分の下手さに悔し涙を流す多々良であったが、今回のパートナー勝負は順位で決まるものではなかった。女子だけの個人賞、ボールルームクイーン賞が残っていた。
結果発表でコールされたのは、赤城真子。
ダンサーは誰しも自己顕示欲が強いなのか、誰かのためにという多々良のリードが、この結果をもたらした。この結果により、元の鞘に収まる赤城組。真子は笑顔で去っていく。
審査委員長は、「MVPがあれば間違えなく雫で、時にリーダーを喰う程に技術が突出していた」と評した。これを聞いた雫は負けを実感し、誰もいないところで1人涙する。
多々良は、次の舞台に向けて会場をあとにするのであった。
感想
カッコいいダンスシーンが満載のこの巻。特に、雫が多々良の心を一瞬で持っていってしまうシーンが印象的でした。この時の多々良の心の中の言葉が、極めて抽象的で「あの時のアレが来る?かっさらう時の・・・持ってかれる」あの時のアレとは、過去に多々良が経験した清春、真子、賀寿がそれぞれ会場の観客を虜にしたシーンが挿入されてます。
”かっさらう”の意味を調べてみると、”素早く奪い取る”とあります。思えば自分も競技会を観戦し、この選手いいなと感じるときは”一瞬”で、そのあとずっとその選手を目で追ってしまいまいます。
ダンスをする目的を考えると、自分がダンスがしたいというよりは誰かにダンスを魅せたいという方が強いと思うんですよね。こういう”一瞬”をつくるためにやってるんじゃないでしょうか?
自分には、まだこういう経験はないですけど、いつかは・・・・と思ってます。
実際の社交ダンスの魅力を知りたいかたはこの記事も参考にしてみてください。
↓
お勧めの趣味 社交ダンスを始めてみませんか?社交ダンスの魅力と社交ダンス10種目の紹介 | ボールルーム社交ダンス(アマチュア社交ダンサーの経験談とテクニック考察) (tmballroom.com)
コメント