ダンスレッスンである程度フィガー、ルーティンを覚えたら、ダンスパーティーで踊ることにもチャレンジしてほしいです。ダンスパーティーでは、知らない人と打ち合わせなしに踊るフリーダンスタイムというものがあります。
非常に混みあってる中で踊らなければならないので、最初から上手くいくものではありません。この記事では、フリーダンスを踊るための予備知識と困ったときに使えるようなフィガーをご紹介します。
LOD(ライン オブ ダンス)とは
まず、ダンスフロアで踊る上でのルールLOD(ライン オブ ダンス)について説明します。
図1のように、時計の針と逆に進行するルートでダンスを踊ります。
こうすることで、他のペアとの衝突を少なくすることが狙いです。
スタンダード5種目とラテンのサンバ、パソドブレはこのルートを守ります。
ただ、フロアの壁付近の外周を踊れというわけではなく、図2①のように中央を越えなけば、斜めに進行して大丈夫です。また図2②のように少しでしたら、LODと逆方向に進んでも問題ないです。
また、進行したら衝突の恐れがあるルートを図3に示します。図3①や②のように中央を飛び越えてしまうようなルートは逆方向からLODに沿って進行しているペアと衝突してしまいやすいです。もちろん図3③のように完全にLODと逆方向に進行しても駄目です。
ダンスパーティーで流れる曲の種目
通常のダンスパーティーのフリーダンスタイムで流れる曲は、ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、ルンバ、チャチャチャ、ジルバ(ジャイブを踊ってもよい)、サンバです。スタンダード種目、ラテン種目が交互に流されますので、靴をはき替えている時間はありません。スタンダード・ラテン共用のシューズを用意しておいてもいいかもしれません。
※サンバの曲がかかることは、かなり少なく1日のうち1、2回の時もあります。クイックステップ、ウィナワルツ、パソドブレの曲がかかるパーティーは、ほとんどないです。
男性は踊る相手の力量に応じてフィガーの選択をする
パーティーに来る人の力量はさまざまなので、踊る相手の力量に合わせて初心者の方でしたら簡単なフィガーを、上級者の方でしたら難しいフィガーに挑戦してみてください。今までパーティーでは使ってなかったフィガーが相手に通じるかを試すのもよいでしょう。
ちなみに、相手の力量は組んだだけでしっかり立てているかとか、コンタクトポジションが合わせられているか等で、わかるようになってきます。
フリーダンスタイムで混んでいる場合は、歩幅を小さく、ラテンのフリーハンドも広げすぎないこと
混んでいる場合は、言うまでもなく歩幅を小さく踊ってください。但し歩幅を小さくしても姿勢は変えずに踊ること。意外にこれが難しかったりします。
また、ラテンのフリーハンドも広げすぎず、場合によっては、手をたたんで行うことも可です。
フリーダンスタイムは、ほとんどアドリブで踊らなければならない
フリーダンスタイムは、大人数でいっせいに踊るので、ほとんどスペースがないときもあります。団体レッスン等で習うフロア1週できるようなルーティーンをそのまま踊るのはかなり難しいです。
その場その場の判断でフィガーを選択し、つないでいかなければなりません。囲まれてしまったときは、止まって動かないという選択もあります。
狭いスペースでも使える最低限覚えておいた方がいいお勧めフィガーのつなぎ方
スタンダード種目は、LODに沿って常に動いていかなければならないので、臨機応変にフィガーを選択しなければなりません。困ったときに覚えておいた方がよいお勧めのフィガーのつなぎ方を以下に示します。
ワルツ
図4の赤矢印のように、ナチュラルターン(3歩)とアウトサイドチェンジを繰り返して壁際LOD上に沿って進みます。狭いスペースでもこれで、進んでいくことができます。
スペースが空いたらオープンインピタスやスピンターンして次につなぎます。
タンゴ
タンゴは、他のスタンダード種目と違って、PP(プロムナードポジション)にすれば、その場で止まっていても大丈夫です。周りを囲まれてしまったらPPにリードしてスペースが空いたら次のフィガーをスタートさせましょう。
クローズドポジションからノーステップで、PPにするリードも覚えておくといいでしょう。
PPからクローズドプロムナードは頻繁に使用されます。図5のように行きたい方向によって、青色矢印のバックコルテ→オープンリバースターンかピンク矢印のファイブステップ→クローズドプロムナードを使い分けるとよいでしょう。バックコルテ→オープンリバースターンは引き続きLODに沿って進行することができ、ファイブステップ→クローズドプロムナードは、進行方向を変えることができます。
スローフォックストロット
ワルツのフィガーに比べて、スローフォックストロットのフィガーは移動距離が長く直線的に動くものが多いので、混みあった場所で踊るには難易度が高いです。
スタートから赤矢印のようなフェザーステップ→リバースターン→スリーステップが王道の流れですが混みあっている場所では、この3つのフィガーだけでも途中で遮られてしまうことがあります。
そこで便利なフィガーとしてお勧めしたいのは、青矢印のリバースウェーブ&バックフェザー(別名 エクステンデットリバースウェーブ)です。男性が後退の向きで、若干蛇行しながらリバースウェーブとバックフェザーを交互に行うフィガーです。何回繰り返してもよく、コーナーでさえ曲がることができるので方向も変えやすく、他のペアをよけやすいフィガーとなっております。
しかもリバースターンの3歩あるいは、スリーステップの後のカーブドフェザーから容易につなげることができるので、困ったときにすぐ使えます。
ラテン種目は団体レッスンで覚えたルーティーンで踊ってしまおう
ラテン種目は狭いスペースでも踊れるので、団体レッスンで踊っているようなルーティーンで踊ってしまうのが順番も迷わず済むのでいいと思います。
ラテン種目は音を外さないように注意
ルンバ、チャチャチャはカウント1の音をとりづらく、音を外してそのまま踊ってしまっているペアを多く見かけます。パーティーなので構わないのですが、できたら音楽に注意して踊りましょう。
ジルバは、特に女性が音楽を無視して早く踊ってしまう傾向があります。ここは男性を信じて男性に合わせましょう。
まとめ
パーティーのフリーダンスタイムは、普段の団体レッスンの時のように決められたフィガーを男女双方があらかじめ知っていて踊るわけではないので難しいところもありますが、男性の意図したリードどおりに女性を動かす。男性の意志を受けとって女性がフォローするという社交ダンスの醍醐味があると思います。絶好の力試しの場でもあるので臆せずチャレンジしていってほしいです。
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